温熱療法(ハイパーサミア)

癌の治療法の中で、現在までに健康保険が適応されているのは外科治療と化学療法、放射線治療のいわゆる標準治療が主なものです。しかし、それ以外でも温熱療法(ハイパーサミア)については、健康保険が適応されている数少ない治療法のひとつです。

ハイパーサミアについて、治療の特徴や癌細胞に効く仕組み、治療費用や期間などをまとめてみました。

ハイパーサミアとはどのような治療法なのか

ハイパーサミアは、ラジオ波などの機械を利用して体を温める治療法です。2つの電極の間に体を挟み、ラジオ波という電磁波を流して、プラスとマイナスの電極を急速に変えると、私たちの細胞自体が自己発熱して温まります。

正常な細胞は熱を加えても、血流によってすぐに熱を逃がすことができますが、癌組織の血管は拡張しないので血流を増やすことができず、正常な細胞よりも高温になりやすいそうです。

一般的に、ハイパーサミアの治療時間は準備も合わせて1時間程度。ラジオ波を当てている部分はその間動かさないように注意します。治療箇所が暑く感じたり、チクチクすることもありますが、耐えられないほどの感覚ではありません。治療中に大量に汗をかくので、運動した後のようにストレス発散できると感じる患者さんも多いそう。飲み物を持参してリラックスしながら治療を受けます。

なぜハイパーサミアが癌細胞に効くのか

癌細胞は一般的に熱に弱いと言われています。それは、癌細胞が特異にできた細胞で常に血流不足となっていて、正常の組織のように血流を増加させることで熱を逃がすことができないため、細胞内に熱がこもってしまうからなのだとか。そんな癌の性質を利用して、体を温めることで癌細胞だけを攻撃しようという方法が、ハイパーサミアです。

体を温めると、全体的に血流が促進されて体の隅々にまで、薬剤が効果的に届くようになるほか、免疫細胞を活性化させて癌細胞への抵抗力をつける効果もあります。

基本的に、ハイパーサミアは単独で癌の治療に用いられることはなく、化学療法や放射線治療と併用することで効果を高める方法です。

例えば、外科治療ができない場所に腫瘍がある患者さんなどが、化学療法や放射線治療と併用して受けたり、抗がん剤治療の副作用が強い人がハイパーサミアと併用することで投薬量を減らすことができるようになった、などの効果が報告されているそうです。

ハイパーサミアの治療費用や期間について

ハイパーサミアの治療費は、ほかの標準治療と併用する場合なら健康保険が適用となります。深部を加温した場合でも、治療全体にかかる費用は自己負担分が2万円程度と気軽に受けられるのも魅力。週に1~2回の治療を2~3ヶ月ほど続けるのが一般的です。

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