化学療法(抗がん剤)

がんの標準治療のひとつとして知られる、抗がん剤による化学療法。どのような作用で癌に効くのか、主な薬剤の特徴などをまとめていますので、参考になさってください。

抗がん剤で癌が抑制されるしくみとは

抗がん剤は、細胞の核となるDNAに働きかけ、細胞増殖や分裂を抑制する薬剤です。

癌細胞は正常な細胞に比べて、増殖力が高く、細胞分裂のスピードが速いという特徴があります。細胞が分裂するときや新しい細胞に生まれ変わるときは、DNAやRNAもどんどん増えているわけで、そのDNAの動きを封じ込めてしまえば、新しい細胞を作り出すことができなくなる、という性質を利用しているのです。

残念ながら、癌細胞だけに作用する抗がん剤はいまだに開発されていません。ですから、抗がん剤は癌細胞を攻撃するとともに、正常な細胞も破壊することになります。化学療法で強い副作用が出るのはそのためです。

正常な細胞は抗がん剤に対する耐性があるので、癌細胞よりも少し早く回復するそう。そこで、最初に投与してから2~3週間後正常な細胞が回復をし始め、癌細胞がまだ回復する前のタイミングで再投与を繰り返し、徐々に癌細胞を封じ込めていくわけです。

抗がん剤の投与方法とスケジュール

抗がん剤の投与方法には、点滴と錠剤の飲み薬があります。一部の経口抗がん剤以外は、血管に直接薬剤を入れる点滴静脈注射がほとんどです。どちらの場合も、薬剤が血流に乗って全身に運ばれ、全身のあちこちに散らばっている癌細胞を攻撃します。

投与するときは、3種類ほどの薬剤を混合したものと、吐き気止めの薬などを一緒に点滴しますが、比較的スローペースで落とすので、すべて終わるまでに2〜3時間かかるそうです。一定のペースで入れないと治療効果が上がらないそうなので、点滴の速度が変わったりしたら、すぐに看護師に対応してもらいましょう。また、抗がん剤は毒性が強い薬ですから、皮膚につくと炎症や痛みを起こすことも。もし点滴が漏れたりしても、直接触らないよう注意しましょう。

点滴による静脈注射で投与の場合は、1回目の投与後に2〜3週間お休みし、白血球の回復を見て再び投与。また2〜3週間お休みして再投与、というのを4〜6回繰り返します。

主な薬剤と治療法

抗がん剤には、癌への作用の仕方の違いで、いくつかの種類があります。種類別に代表的な薬剤をピックアップしてみましょう。

<抗腫瘍性抗生物質(アンスラサイクリン系)>

細胞のDNAと結合して細胞の合成や分裂を阻害する作用を持つ薬剤。

  • アドリアシン(ADR)
  • ファルモルビシン(EPI)など

<アルキル化剤>

DNAやRNAの働きを阻害して変質させる物質を放出して、遺伝子の構造を変化させる作用のある薬剤。

  • エンドキサン(CPA)など

<代謝拮抗剤>

細胞の増殖に必要な材料となる物質と同じ構造を持っているので、細胞が間違って取り込んで分裂や合成を阻害する。

  • UFT
  • メントレキセート(MTX)
  • 5-FUなど

<微小管阻害剤(タキサン系)>

細胞分裂に関係する微小管に作用して、癌細胞の分裂を阻害する薬剤。

  • タキソール(PTX)
  • タキソテール(DTX)など

薬剤別に違う副作用の症状とは

抗がん剤を投与した時に現れる副作用はいくつかありますが、代表的なものは吐き気や倦怠感、脱毛や口内炎など。使用する薬剤によって、症状が若干異なってきます。

そこで、代表的な抗がん剤について、発症頻度が20%以上とされている副作用をまとめて紹介します。

  • アドリアシン(アンスラサイクリン系)
    吐き気、嘔吐、食欲不振、倦怠感、脱毛、口内炎、白血球の減少による感染症
  • ファルモルビシン(アンスラサイクリン系)
    吐き気、嘔吐、食欲不振、倦怠感、脱毛、口内炎、白血球の減少による感染症
  • エンドキサン(アルキル化剤)
    吐き気、嘔吐、脱毛、白血球の減少による感染症
  • UFT(代謝拮抗剤)
    発症頻度20%以上の副作用はなし。吐き気や嘔吐、アレルギー反応などは発症頻度20%以下。
  • メントレキセート(代謝拮抗剤)
    吐き気、嘔吐、食欲不振、倦怠感、下痢、便秘、腹痛、白血球減少による感染症
  • 5-FU(代謝拮抗剤)
    発症頻度20%以上の副作用はなし。吐き気や嘔吐、アレルギー反応などは発症頻度20%以下。
  • タキソール(タキサン系)
    吐き気、嘔吐、発熱、脱毛、白血球の減少による感染症、関節痛、肝機能障害
  • タキソテール(タキサン系)
    吐き気、嘔吐、発熱、食欲不振、倦怠感、下痢、便秘、腹痛、脱毛、白血球の減少による感染症 
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